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ASE光源とは

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1.ASE光源とは ⇒ASE光源製品一覧

ASE光源は自然放出光を増幅して出射する光源で、ASEはAmplified Spontaneous Emission の略です。高輝度でしかも出力安定性に優れた広帯域、低コヒーレンスな光源で、ブロードバンド光源、インコヒーレント光源と呼ばれることもあります。光ファイバ内で発生する光ですので低損失でファイバに入射できます。FBGを利用した各種光センサ、OCT、光ジャイロ、ガスセンサなどの光源として、また、光通信用部品をはじめ各種光部品の計測用光源として最適です。

2.  発光するのは希土類元素

ASE光源の発光には、ファイバレーザや光ファイバアンプと同様に希土類元素を利用します。図1のように、希土類元素は励起光を吸収して励起光と別の波長の光を発光する性質があります。この発光は自然放出光と呼ばれる弱い光ですが、励起光の強度を増すと誘導放出光と呼ばれる強い発光に変わります。誘導放出を起こすには、図2のように励起準位に存在する電子数が基底状態の電子数を上回るだけの強い励起が必要です。ASE光源、ファイバレーザ、光ファイバアンプは何れも誘導放出を利用した装置です。

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左)図1.励起光を吸収して別の波長を発光
右)図2. 自然放出と誘導放出は励起光の強さで変わります(:電子)

3. 誘導放出には光ファイバが有効

誘導放出には非常に強い励起光が必要ですが、光ファイバを使うと簡単に誘導放出を起こすことができます。光ファイバでは狭いコアの中に光を閉じ込めることができるため、面積当たりの光強度が非常に大きくなるからです。そのため、ASE光源、ファイバレーザ、光アンプではコアに希土類元素をドープした光ファイバを利用します。

4.光ファイバ内で光が増幅されて強くなる

ASE光源などに希土類元素ドープ光ファイバを使用するメリットに、光がファイバを進むにつれて光が増幅され強い光が得られる点があげられます。ファイバの長手方向にわたって強い励起光が存在するため光の進行につれて次々誘導放出が起こり強い光になっていきます。

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図3.光の進行と増幅(図では矢印がコアの外にありますが、光はファイバのコア内を進みます)

5.発光波長は希土類元素の種類とファイバの材質で違う

発光する光の波長は基本的に希土類元素の種類によりますが、光ファイバの材質にも依存します。希土類元素の種類によって発光波長が違うのは元素の種類によってエネルギー準位が違うためです。一方、ファイバ材質による違いは、励起された電子の持つエネルギーが熱エネルギーへ変わり易いかどうかによります。ふっ化物ファイバの場合は熱エネルギーに変換されにくいので多くの種類の波長で発光します。

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図4.ふっ化物ファイバと石英ファイバにおける発光波長の違い

図5.2段階励起による発光

about-ase-5また、特徴的なのは励起光の波長より短い波長の発光が可能なことです。これは、図5のように第1励起準位に励起された電子がさらに第2励起準位へ励起されるためですが、やはり熱エネルギーになりにくい性質に起因する現象です。
ファイバーラボでは、図6に示しますように各希土類元素に特有なエネルギー準位を利用して様々な波長帯のASE光源を開発、ご提供しています。

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図6.各種希土類元素の発光メカニズムとASE光源の発光波長帯

6. ASE光源、ファイバレーザ、光アンプはどこが違う

ASE光源、ファイバレーザ、光アンプは何れも希土類元素ドープファイバの発光を利用したよく似た装置ですが、装置の構成が少しずつ違います。

ASE光源は図7のように希土類ドープファイバ、励起用LD、光フィルタ、光アイソレータで構成されます。光フィルタは、励起光を透過しASE光を反射します。アイソレータは前方に進む光を透過し後方に進む光を遮断します。希土類ドープファイバ内で生成した自然放出光がそのまま増幅されて出力されるので低コヒーレンスでブロードなスペクトルの光になります。

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図7. ASE光源の基本構成

ファイバレーザでは、図8のように希土類ドープファイバの両端に反射ミラーがあります。希土類ドープファイバ内で発生した自然放出光は光はミラーで反射されて増幅されながらファイバ内を何回も往復し、コヒーレンスでスペクトル幅の狭いレーザ光として出射します。

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図8. ファイバレーザの基本構成

光アンプでは、図9のように合波器を使って励起光と信号光の両方を希土類ドープファイバに入射します。このようにすると信号光がトリガーになって誘導放出が起こり信号が増幅されます。信号光はファイバ内を進みながらどんどん強くなっていきます。光アンプに励起光だけを入れた状態にすると自然放出光が増幅されてASE光源と同じ光が得られます。

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図9. 光アンプの基本構成