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偏波保持ファイバ(PMファイバ)とは

■偏波保持ファイバとは

偏波保持ファイバ(PMF : Polarization Maintaining Fiber)とは、光弾性効果や構造変化を利用してコアの縦横で実効屈折率が異なる複屈折率性を生じさせ、伝送する光の偏波面保持特性を高めた光ファイバでPMファイバと呼ばれます。

通常のシングルモードファイバ(SMF)では、ファイバ断面内で直交した2つの偏波モードが存在します。理論的にコア・クラッドの各方向の屈折率が一定であれば偏波モードはそのままです。しかし、ファイバのコアが真円でなかったり、ファイバを曲げたり、側面から外力が加わったりすると、コア・クラッド内の縦横の屈折率に若干の差が生じます。屈折率に差が出るとファイバの中を伝わる光の速さが変わるので、縦方向に振動する光の偏波と横方向に振動する光の偏波とでそれぞれ干渉したり(偏波クロストーク※1)、信号波形が広がったり(偏波分散※2)してしまいます。このような問題を避けるため、わざとコア・クラッド断面の縦横で屈折率にはっきりと差を持たせ、縦と横の偏波が混ざり合わないようにしたものが偏波保持ファイバです。(図1. 参照)

図1.実効屈折率の変化に伴う縦偏波と横偏波の伝わり方

 

偏波保持特性の指標として偏波クロストークが、複屈折率の指標としてビート長※3が使われます。

偏波分散による微小な位相のずれが問題となる光ファイバジャイロや、ファイバを使ったひずみ・温度計測などのセンサ用途、偏波依存性のある光部品との高効率結合や偏波分散を抑えた超広帯域光伝送路用ファイバなどの情報通信用途として使われます。また、実効的に一つの偏波面の光だけしか通さないファイバを単一偏波ファイバといいます。

[用語解説]

※1 偏波クロストーク : ファイバの縦(横)の偏波面に入射した光が、ファイバの出口で横(縦)の偏波面にどの程度漏れたかを電力比=10log{縦(横)電力 / 横(縦)電力}で示したもので、偏波保持能力を表すのに使われます。

※2 偏波分散 : 入射した光信号波形が偏波クロストークを起こしながら伝わるために変形し、波形を広げてしまう(伝送速度を落とす)ことを指します。

※3 ビート長 : 縦偏波と横偏波の実効屈折率に差があると、伝わる光の位相に差が生じます。この位相の差が2πになる距離をビート長といい、複屈折の大きさを表すのに使われます。

 

■偏波保持ファイバの構造

PMファイバには、クラッド断面の一方向にクラッド材と比べて熱収縮率が非常に大きい応力付与材料(SAP:Stress Applying Parts)を、コアを挟むように入れ、光弾性効果を使って複屈折率性を持たせる応力付与型と、コアの縦横で実効屈折率を変化させた構造型があります。一般的には応力付与型が多く使われており、主に応力付与材を丸型にしたPANDA(Polarization-maintaining AND Absorption-reducing)型や蝶ネクタイ型にしたボウタイ(Bow-tie)型が使われています。(図2. 参照)

図2.応力付与型偏波保持ファイバ

 

 

 

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