偏光消光比(PER:Polarization Extinction Ratio)は、直交する偏光がどの程度完全に分離しているかを表すための指標です。偏光子*1や偏波保持ファイバの特性評価、偏光を利用している光学部品の位置合わせなどに使われます。

偏光子の特性を評価する場合の測定例を図に示します。非偏光の光源からの光線上に偏光子を二つ置き、一方の偏光子は固定しもう一方を回転しながら透過光量の変化を測定します。二つの偏光子の向きが同じ時に透過光量は最大となり、直交した時に透過光量は最小となります。このときの最大透過光量をPmax、最小透過光量をPminとして、偏光消光比Re(dB)は

Re = 10 log(Pmax / Pmin)

で表されます。この測定から偏光方向の特定もできます。

偏波保持光ファイバでは、その光ファイバの偏波保持特性を表す指標として入射した直線偏光の光信号がそれと直交する偏波方向にどの程度漏れたかを示すときに使われます。偏波保持ファイバの場合には偏波クロストーク(Polarization Crosstalk)とも呼ばれます。

図  偏光消光比の測定例(偏光子の特性評価)

*1 「やさしい技術解説 偏光子」を参照してください。