Ti:Sapphire(Al2O3)レーザー結晶は、高利得および高出力という特徴があり、広い波長帯域で調整可能な超短パルスレーザ用に最も広く使用されています。CASTECH社では温度勾配法(TGT)による先進的な結晶成長技術を有しているので、高品質で光散乱がなく転位密度が小さいTi:Sapphire結晶を、大きいサイズ(直径30mm x 30mm)で作製することができます。TGTで結晶成長させたサファイア結晶は、高い濃度でTiを添加できるので、高い利得と高いレーザ損傷閾値も持つという大きな利点があります。

■ 構造と性質

結晶構造 六角晶
格子パラメータ  a=4.758,   c=12.991
質量密度 3.98 g/cm3
融点 2040℃
モース硬度 9
熱伝導率 52 W/m/k
熱膨張係数 8.40×10-6/℃
比熱 0.42 J/g/k

■ 光学および波長特性

レーザ動作 4準位
蛍光寿命 3.2μs (T=300K)
選択可能波長帯域 660 – 1050nm
吸収波長帯域 400 – 600nm
放出ピーク 795nm
吸収ピーク 488nm
屈折率 1.76 (at 800nm)
最大断面積 3-4×10-19cm2

■ 仕様

Ti2O3濃度 0.06 – 0.26 atm%
直径 2 – 30mm
長さ 2 – 30mm
平坦度 < λ/10 (at 633nm)
平行性 < 10′
表面品質 40/20 (MIL-PRF-13830B)
波面歪み < λ/4