テクノロジー

光ファイバアンプ(増幅器)の構成や用途とは

■光ファイバアンプ(増幅器)とは

 光ファイバアンプ(増幅器)とは、光信号を光ファイバ内を通すことによって増幅させるもので、希土類元素からの誘導放出により光利得が得られる希土類添加光ファイバ増幅器が最も広く使用されています。

 光通信は光ファイバ内を光信号が進むことによって行われますが、伝送用光ファイバ自身や接続している光部品や外的要因などによって損失が発生し光信号の強度が弱くなってしまうため、光の増幅を行い損失を補償する必要があります。光ファイバアンプは増幅媒体が光ファイバであるため伝送用の光ファイバとの整合性が良く、シンプルな構造ながら増幅効率が良いという特徴があります。光通信システムの大容量化に伴い波長分割多重方式(WDM)通信が一般的になる中で、光ファイバアンプが最もWDM通信の光増幅に適しており、添加する希土類元素を使い分けることで様々な波長帯の光増幅が可能なため、現代の光通信システムの中で重要な装置の一つとなっております。

■光ファイバアンプ(増幅器)の基本構成

 光ファイバアンプ(増幅器)の基本的な構成は図1のようになっています。最も重要な部品は増幅媒体の希土類ドープファイバですが、他に、希土類イオンを励起するためのポンプLD、信号光とポンプ光を合波するWDMカプラ、増幅光の発振を防ぐための光アイソレータなどが使用されています。

 ドープする希土類イオンの種類と光ファイバの材質を変えることにより、異なる波長帯の増幅を行っています。また、信号光やポンプ光の波長によりコア径、NAなどのファイバパラメータを最適設計しています。

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図1.光ファイバ増幅器(光ファイバアンプ)の基本構成

■各波長帯の増幅原理

 各種の光通信波長帯を増幅するため、Pr、Er、Tm、Yb等の希土類イオンを使い分けています。図2のように各希土類イオンのエネルギー準位図は異なるため、励起準位から下位準位へ遷移する際エネルギー差に応じて異なる波長帯の光を発光し、この波長帯がそのまま増幅波長帯となります。Prイオンは1.3μm帯、Erイオンは1.5μm帯、Tmイオンは1.4μm帯、Ybイオンは1.0μm帯の増幅に適しています。Erイオンは0.85μm帯、Tmイオンは2μm帯の増幅も可能です。

 しかしながら、これらの発光、増幅はファイバ材質とも密接な関係があります。1.3μm帯/Pr、1.4μm帯/Tm、0.85μm帯/Erなどの増幅は石英ファイバでは難しいためふっ化物ファイバを使用しなければなりません。ファイバーラボでは、最適設計したふっ化物ファイバを自社製造することによりこれらの波長帯の光アンプを実現しています。

 また、Pr、Er、Tmドープファイバを使った光アンプをそれぞれPDFA(Praseodymium Doped Fiber Amplifier)、EDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier)、TDFA(Thulium Doped Fiber Amplifier)と呼んでいます。

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図2.希土類イオンのエネルギー準位と各波長帯の増幅

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